Abstract

筆者らは高分子ゲルの高機能化に向けて,高分子精密合成の観点からゲルを設計する研究を進めている.本報ではまず,可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合機構を応用した例として,均一網目の創成を志向した末端架橋法による自己修復性ゲルの合成と,重合中にビニル基間の距離が変化する新規架橋剤を用いたゲル合成について紹介する.また筆者らは線状高分子におけるモノマー配列制御に端を発し,複数のモノマーを組合せたゲルの膨潤特性について,網目鎖中のモノマー連鎖配列の重要性に注目している.本報ではその先駆けとして,単独では温度応答性を示さない親水性および疎水性モノマーを組合せることにより温度応答性を発現した例と,親水性鎖を組込んだ温度応答性ゲルの膨潤特性について紹介する.これらの研究は高分子合成化学に立脚したゲルの高機能化と位置づけることができ,今後ますます重要性を増す研究分野であると筆者らは考えている.

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