Abstract

前大脳動脈近位部 (A1) 動脈瘤は通常穿通枝分岐部より発生し, 開頭脳動脈瘤クリッピング術による治療難度の比較的高い病変である. 今回筆者が経験した6例について後方視的検討を加えた. 後方発育の割合が比較的多いこの部位の動脈瘤においては, 通常の脳血管撮影では動脈瘤が親血管に隠れ描出困難である場合が多く, その局在診断においては三次元回転血管造影法の有用性が示唆された. 開頭脳動脈瘤クリッピング術においては穿通枝の確実な同定と注意深いクリッピングにより穿通枝梗塞の合併回避が可能と考えられたが, 手術顕微鏡による形態学的評価のみでなく, 血流のリアルタイムイメージングであるインドシアニングリーン (ICG) を用いた術中蛍光血管撮影 (ICGA) が穿通枝温存および脳動脈瘤根治性の評価において本部位から発生した脳動脈瘤手術においては必須の検査であると考えられた. また, 術後のbrain shiftを念頭に置き, 動脈瘤頚部長に合ったブレード長のクリップの使用や有窓クリップの使用などが重要であることが示唆された.

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