Abstract

要旨【背景】急性膵炎診療における予防的抗菌薬投与に関して,世界のガイドラインでは投与は非推奨となりつつあるが,日本の多くの施設では重症度に関わらず予防的抗菌薬は投与されている。施設ごとの診療パターンや,投与を支持するかしないかの背景にある根拠や臨床的動機は不明であり,第49回日本救急医学会総会学術集会で本命題に関するセッションが開催された。【目的】各演者の発表・討論内容,会場の投票結果を提示し,予防的抗菌薬投与の是非を検討する。【方法】発表要旨と質疑,投票結果の推移を記述した。【結果】Pros:抗菌薬の予防的投与と治療的投与を明確に区別するのは難しく,胆石性膵炎疑い例,医療暴露(耐性菌)(高感染リスク)例には,厳選して短期間(3日間)使用するべき。Cons:感染の証拠が明確でなければ使用するべきではない。投票結果推移:(軽症膵炎)非投与派が80%から90%に増加。(重症膵炎)投与派が77%から42%に減少。【考察】ガイドライン遵守率の低さと予防的抗菌薬投与の臨床的動機が判明した。世界のエビデンスやガイドライン推奨を正しく提示することで,行動変容が可能であることが示唆された。今後のガイドラインには,無菌性急性膵炎と胆管炎・敗血症併発の鑑別に関する指針や,その遵守率の定期的調査が求められる。【結論】予防的抗菌薬投与が推奨されなくなった事実を理解し,日本の最新版ガイドラインの遵守に努めるべきである。

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