Abstract

本研究は,相変化蓄熱媒体の1つである硫酸ナトリウム10水和物の液相状態における熱物性を評価し,その熱輸送プロセスとしての水平密閉矩形容器内自然対流の伝熱特性を実験的に検討したものである.ここでは,実使用形態に合わせた熱輸送プロセスに必要不可欠な伝熱データベースの充実を図るために,これまで著者らが構築した信頼性の高い熱物性計測システムを援用しながら硫酸ナトリウム10水和物の熱物性値とその温度依存性を定量的に同定するとともに,未解明な熱輸送機構について考察を進めた.すなわち,実測した熱物性値に基づいて水平密閉矩形容器内自然対流の熱伝達率を再整理することで,従来から提案されている伝熱相関式と比較・検証しながら液相状態下の自然対流の伝熱特性を解明した.その結果,硫酸ナトリウム10水和物の熱物性値に対する温度依存性を解明するとともに,新たに実測した熱物性値を適用することにより液相状態下の自然対流熱伝達が先に提案されている水平密閉矩形容器内自然対流熱伝達に関する伝熱相関式と良好な一致を示すことを明らかにした.この結果は,同定した熱物性値の有効性を示唆するものである.

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call