Abstract

症例は77歳の女性で,閉塞性動脈硬化症に対し73歳時に右外腸骨動脈-左大腿動脈バイパス術を施行されている.2013年7月に下腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部CT検査では左大腿部にヘルニア嚢がみられ,ヘルニア嚢の付近にはグラフトを認めた.左大腿ヘルニア嵌頓の診断で緊急手術を施行した.修復は鼠径法で行った.術後の経過は良好で第5病日に退院となった.2013年10月に下腹部痛のために再受診し,右大腿ヘルニア嵌頓と診断し緊急手術を施行した.修復は大腿法で行った.左右ともにグラフトに起因する周術期合併症は認められなかった.大腿動脈バイパス術後の大腿ヘルニアに対して,ヘルニア修復術を行う際には,剥離時のグラフト損傷や開創器によるグラフト圧排で発生する下肢血流遮断に注意する必要があると考えられた.

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call