Abstract

症例は35歳の男性で,検診異常で近医を受診し,精査の結果脾腫瘍および脾動脈瘤と診断された.脾動脈瘤をinterventional radiologyでコイル塞栓した後に腹腔鏡下脾臓摘出術を施行する方針としたが,血管造影で正中弓状靭帯圧迫による腹腔動脈の狭窄を認めコイル塞栓を行えなかった.開腹手術を施行し,正中弓状靭帯を切開し腹腔動脈起始部の狭窄を解除後,術中に脾動脈瘤をコイル塞栓し,また脾臓を摘出した.今回,ハイブリッド手術室で手術を施行したことで,術中に脾動脈瘤の塞栓を安全に施行することができた.また,脾臓摘出術を行った際に脾動脈塞栓術を併施したが,太く発達した背側膵動脈を温存できたことで膵体尾部の虚血を認めなかった.本症例は複雑な病態に対して安全に治療しえた症例であり,今後の臨床において非常に有意義と考える.

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