Abstract

背景 : 中間型松果体実質腫瘍の発生はまれで, 細胞学に関連した報告は少ない. 今回, われわれは中間型松果体実質腫瘍と診断された症例を経験したので, その細胞像と組織学的所見をあわせて報告する.症例 : 60 歳代, 女性. 頭痛を主訴に当院に精査加療を目的として入院した. MRI にて松果体部に 2 cm 大の腫瘍が認められ, 腫瘍摘出術が施行された. 圧挫細胞診標本において神経基質を背景に腫瘍細胞は結合性の緩やかな集塊で出現し, 異型性は乏しかった. 核クロマチンは, 神経内分泌腫瘍にみられるような粗顆粒状から顆粒状を呈していた. 免疫細胞化学において Ki67 標識率は 5%であった. 組織学的に腫瘍は充実性に増生し, 均一な類円形核を呈した腫瘍細胞が認められた. 明らかな壊死や核分裂像はみられなかったが, 細胞密度の増加が一部に認められた. 免疫組織化学では腫瘍細胞はシナプトフィジン陽性で, Ki67 標識率が 4%であった.結論 : 中間型松果体実質腫瘍の特徴的細胞所見は, 背景の神経基質と粗顆粒状の核クロマチンであった. その正確な診断には, 特徴的細胞所見を念頭に置くとともに Ki67 標識率を確認することが重要である.

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