Abstract

青年期の対人関係の一つである愛着関係について検討した. 愛着研究(Bowlby, 1969, 1973, 1980)の一概念である内的作業モデル理論を「自己に関する内的作業モデル」と「他者に関する内的作業モデル」の2因子構造とする立場(Bartholomew, 1990)から, 青年期の愛着関係に関する尺度の作成を試みた. また, 作成された尺度を用い, 青年期の愛着関係における内的作業モデルの2因子と就学前の母子関係との関連を調べた. 主な結果は, 以下の2点に集約できる. 1)作成された内的作業モデル尺度は, 探索型因子分析により2因子構造として抽出され, 確証型因子分析によりその妥当性が示された. 2)自由記述により, 主な青年期の愛着対象は母親, 恋人, 友人とされ, これらの愛着対象との関係において, 内的作業モデルの2因子と就学前の母子関係の3因子との関連が認められた. 中でも, 青年期の母子関係と恋愛関係は類似する特徴が見られ, 就学前の母子関係が安定していると, 内的作業モデルの尺度得点が高く, 就学前の母子関係がアンビバレントであると得点が低かった. 一方, 友人関係は, 他の青年期の愛着関係とは異なる特徴が認められた.

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