Abstract

永続的スペクトルホールバーニング(PSHB)現象を応用した光記憶における色素分子の対称性に起因するホール埋込みを回避することを目的として,対称牲の低い色素分子の特性を検討した。分子面に垂直なC2軸を持たないポルフィリンをポリメタクリル酸メチル(PMMA)マトリヅクスに分散した材料を作製し,性能を検討した。PSHB反応前後の透過差スペクトル測定により,ポリメタクリル酸メチルにクロリンe6トリメチルエステルを分散した試料(Che6TME/PMMA)で,生成物と反応物の吸収スペクトルの分離を確認した,ホール埋込みは,吸収スペクトルの重なりがある場合にのみ起こるので,Che6TME/PMMAではホール埋込みが回避できることがわかった。テトラフェニルポルフィリソのような,分子面に垂直なC2軸を持つ色素分子では,ホール埋込みの回避は原理的に不可能だが,Che6TMEのような非対称な分子ではプロトン移動型でもホール埋込みの回避が可能であることを示した。PSHB効率の濃度依存性から,エネルギー移動を無視し得る濃度は,これらの系でも~10-3M以下であることがわかった。また,蛍光寿命などの測定から,これらの系での光励起後の緩和過程を解析し,蛍光,内部緩和,項間交差などがPSHBと競合していることを明らかにした。

Full Text
Paper version not known

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call