Abstract
本研究では,長崎市を事例地域に地域密着型サービスの介護事業所が取り組む地域交流・連携の実態を明らかにした.まず,外部評価報告書の内容を分析した結果,事業所から地域社会に積極的に働きかけるタイプの取組みに地域差が確認された.全体の傾向として事業所は,所在地の自治会をパートナーとして交流・連携に取り組むことでさまざまな効果を享受していたが,そこにも地域差が存在した.次に,その要因として①地域の環境条件と②事業所の運営方針を想定し,交流・連携に積極的な姿勢を示す複数の事業所と地域社会を調査した結果,各事業所はそれぞれの運営方針を反映した交流・連携の必要動機をもっていること,その実践形態には地域の環境条件が踏まえられていることが明らかとなった.このことは,地域交流・連携の深化には事業所の姿勢や体制を整えるとともに,地域の特性に配慮した交流・連携手法の採用が重要になることを示唆している.
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