Abstract

本稿では、韓国の大学における日本語会話授業において、「何をどう教えるか」といった日本語教育の基本的な部分を検討した。その後、その枠組みに沿ってデザインした授業を4つのクラスで実践した。 文法や語彙などの日本語の形に焦点を当てず内容を重視した活動内容で、協働学習による会話授業を実践し、「楽しかった」「大変だった」「勉強になった」の3つの観点から、学期末に5段階の活動評価を授業参加者にしてもらった。その結果、以下のようなことがわかった。(1)楽しさの評価平均点が高い活動は、個人差があまりない。つまりどの参加者も同じように「楽しい」と感じている。(2)楽しさの評価平均点が低い活動は、個人差が大きい。つまり参加者全員が「楽しくない」と感じているわけではない。(3)授業参加者が「大変だ」と感じるのは個人差がかなりある。(4) 「勉強になった/ならなかった」という感じ方は、授業参加者が同じように捉える傾向がある。(5)楽しさと大変さには負の相関があるため、楽しい活動は負担が少なくなる可能性がある。(6)楽しさと勉強には正の相関があるため、楽しいと感じると学習が進む可能性がある。(7)大変さと勉強には正の相関があるため、活動に+αの負荷が有効である。 これらの結果から、次の点を提案した。(1)楽しい授業を目指すこと(負担軽減、学習度アップ)、(2)ただ楽しいだけではなく、学習者の日本語レベルより一段階上を常に意識すること、(3)教師は学習者を授業中に注意深く観察すること(状況に合わせ対処をする)の3点である。

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