Abstract

競走馬の運動器疾患は、高率に発症しており特に筋肉痛の占める割合は高く、より効果的な治療方法が望まれている.1991年から3年間に競走馬266症例に対して、大動物用に出力を大幅に増強したGa-Al-As半導体レーザーを開発し、馬の運動器疾患、特に筋肉痛に対する効果と疼痛緩解機序について検討し、以下のような結果を得た.1)レーザー照射は運動器疾患の中で、特に筋肉痛に対して96.5%と著しく高い効果率を認めた.2)筋肉痛に対する効果率は、レーザー出力が大きくなるほど高くいずれも95%以上であった.3)有効あるいはやや有効と診断されるまでの平均治療回数はレーザー出力が高くなるに従って減少した.4)筋肉痛239症例に対するレーザー照射の結果は有効例163(68.2%)、やや有効例66(27.6%)、無効例10(3.3%)で、効果率は95.8%であり、速効的に筋肉の圧痛と筋緊張の消失が特徴的に認められた.5)出力150mW、500mWの照射時間を60秒からそれぞれ30秒、20秒に短縮した場合、筋肉痛症例に対して有効率はやや減少するものの効果率はいずれも高かった.6)レーザー照射により筋緊張は有意(p<0.01)に減少した.7)レーザー照射によりHt値およびWBCは有意に減少し、交感神経正常化による効果が類推された.8)PGE2はレーザー照射直後に有意(p<0.05)に減少し、疼痛緩解の一因であることが明らかになった.9)β-エンドルフィンはレーザー照射直後やや増加したが、有意な差は認められなかった.以上筆者が開発した大動物用Ga-A1-As半導体レーザー治療器は競走馬の筋肉痛の治療に極めて有効であり、150mW30秒あるいは500mW20秒照射で十分その効果が得られ、今後の獣医臨床におけるレーザー治療の礎となるものと考える.

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