Abstract

科学の進歩とともに多数の化学物質が作り出され,我々はその恩恵とリスクのはざまで生きている.食物,医薬品,農薬,その他生活するために必要な化学物質等,さらにはこれらを生産する職場環境や一般環境に存在する化学物質が人のがん発生に関与しているのか.そうだとするとどの程度なのかを実験的に予測することはがん予防の面から極めて重要である.現在,化学物質の発がん性検出にあたって従来の長期発がん性試験に加えて,その in vivo 代替法として発がん性中期検索法の開発が進められている.本稿では我々が開発し,医薬品の非臨床試験ガイドラインに採用されているラットを用いた肝中期発がん性試験法と多臓器中期発がん性試験法を中心に記述し,さらに遺伝子改変マウスを用いる中期発がん性試験法の現況を述べる.また,労働安全衛生法57条の5に基づく化学物質の発がん性試験結果の社会での活用度を紹介する.

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