Abstract

ブロッコリー花らいの脱緑機構を明らかにするため, 高速液体クロマトグラフィーを使用し, ブロッコリー花らいのクロロフィル代謝産物の分離を行った.エチレン処理, 無処理48時間の花らいから, クロロフィルa代謝産物であるクロロフィルドa, フェオフォルビドa, ピロフェオフォルビドa, C132-ヒドロキシクロロフィルa, フェオフィチンaが検出された.そこで, ブロッコリー花らいから調製した可溶性酵素を用いてクロロフィルドaからフェオフォルビドaへの変換過程を調査した.クロロフィルaから調製したクロロフィルン(Mg-クロリン)は, マグネシウムが外れることにより, 波長が658nmから, 687nmにシフトする性質を持っており, 脱離反応を687nmの変化によって調査した.粗酵素液を煮沸処理することで反応が進まないことからMg-デキレターゼによる酵素反応であることが明らかとなり, Cu-クロロフィリンを基質として用いても反応は認められなかったことからクロロフィルン(Mg-クロリン)を特異的に認識する事が明らかとなった.さらに, 全クロロフィル量とMg-デキレターゼ活性との間には, 高い負の相関関係が得られた : Y=-0.73X+97.37, r2=0.94(ただしXは相対的Mg-デキレターゼ活性, Yは相対的全クロロフィル量).この結果から, ブロッコリー花らいにおいてMg-デキレターゼ活性が増大することにより, 脱緑が促進されるものと考えられた.

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