Abstract

要旨 【目的】小児では転落・墜落による外傷が多くみられ,このうち頭部外傷の割合が多いとされているが,これらを詳細に検討した報告は少ない。今回我々は,当院に救急搬送された小児の転落・墜落による頭部外傷の臨床的特徴を検討したので報告する。【対象】2009年1月1日から2016年12月31日までに当院に救急搬送された15歳以下の転落・墜落外傷224例を後方視的に検討した。【結果】全224例中,不慮の事故による受傷が218例,自傷行為によるものが6例であった。転落・墜落の受傷機転は,椅子や階段からの落下が最も多く(59例),以下,遊具からの落下(34例),両親などに抱かれた状態からの落下(27例),建築物からの落下(25例),木や岩などからの落下(16例),ショッピングカートからの落下(6例)となっていた。受傷部位に着目すると,全転落・墜落外傷224例中178例(79.5%)に頭部外傷がみられ,18例(8.0%)はAIS 3点以上の重症頭部外傷であった。年齢が上がるに従い,頭部外傷の発生割合は有意に低下したが,重症化の割合は低下しなかった。【結語】小児の転落・墜落外傷では,年齢とともに頭部外傷の割合が有意に低下するが,重症化の割合に一定の傾向はみられず,どの年齢でも重症化がみられた。

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