Abstract

西南日本内帯の花崗岩類の密度,孔隙率,磁化率の測定を行った. 密度についてみると,中部地域,東近畿地域のK1-2(古期領家)および北九州地域のK2(新期領家)の平均密度が2.72~2.74(g/cm3=103 kg/m3以下同様)と最も大きく,北陸地域の古第三紀(暁新世)及び中央中国地域の古第三紀(始新世)花崗岩が2.62で最も小さい.孔隙率についてみると,平均孔隙率は東近畿地域(新期領家)が0.45 %で最も低く中央中国地域,古第三紀(始新世)の1.27 %で最も大きい.その最頻値はほぼ0.22から0.79 %であっておおざっぱにみて平均密度に逆比例している. 磁化率についてみると白亜紀後期に分類される試料(K1-2,K2)は中部地域,東近畿地域そして中央中国地域では10-4(SI 単位,以下同様)前半の試料が非常に多く,北陸地域,西近畿地域では10-3 前半の試料が加わる.東中国地域と北九州西部地域は更に10-2 を示す試料がある程度存在する.古第三紀に分類される試料(PG1,PG2)は10-4 の試料が一部存在するものの,10-3 の試料に加え10-2 の強度を示す試料が主流を占める. 残留磁化と密度の相関は全く見られないが,残留磁化と磁化率の相関(Qn 比)は時代区分に関係なく0.2~0.3付近に見られる.これは火山岩に比べ花崗岩の強磁性鉱物の磁区構造がかなり大きいことを意味しているものと考えられる.

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