Abstract

症例は77歳の男性。1か月前からの腹部の不調を主訴に近医を受診し,3日前に下部消化管内視鏡検査を受けた。2日前より発熱・悪寒戦慄が生じ,同病院で腹部CT検査を受けたところ,径11cmの左内腸骨動脈瘤を認め,内部にエアを認めた。中等度の下血も確認された。以上より,左内腸骨動脈瘤-直腸穿破による感染性動脈瘤と診断し緊急手術を行った。手術は右大腿動脈-左大腿動脈バイパス術を行い,次いで開腹下に動脈瘤切除,ハルトマン術を行ったことにより救命することができた。下部消化管への腸骨動脈腸管瘻は本邦での報告は少なく,また本症例では敗血症という稀な発症様式であったが,敗血症・下血の鑑別診断の一つとして本症を考慮するべきである。

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