Abstract

本研究は, 日本列島に分布する白亜紀-古第三紀花崗岩類を対象に,それらが持つ物理定数,密度・孔隙率・磁化率・残留磁化そしてQn比(Königsberger ratio)などを系統的に集約し,花崗岩類が共通して持つ性質や,それとは逆に,各時代や地域が持つ特有の性質を明確にし,地質構造の解析や,公害や環境問題,災害予知など各方面に必要な基礎資料を提供する事を目標にとりまとめた.今回は東北地方北部を対象に570余露頭より採取した花崗岩試料の結果を集約した. 対象とした4地域は,北上山地,太平山地域,栗駒-鳴子地域そして村上地域である.その結果は以下のようである. 4地域の平均密度は2.66~2.77(x103kg/m 3)で村上地域が一番小さく北上山地が最も大きい. 孔隙率は0.4~0.6 )で地域による差は殆んど認められない.磁化率は密度が2.60~2.95の変化(SiO2は約77~42(%))に対し10倍に増加する.これらの関係において磁化率はまた,上限,下限の2直線に挟まれる範囲に収まり, 4地域独自の空間を占有する.Qn比は0~0.4を示すものが圧倒的に多く, 磁気図解釈の際,残留磁化を考慮する必要はない.磁化率の低い岩石にも残留磁化を担う強磁性鉱物が存在している.

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