Abstract

研究の目的は, 足浴, 足部マッサージ, 足浴後マッサージ, ケアをしない (コントロール) を行い, これらによるリラクゼーション反応を調べることである. 前期高齢者10名 (72.0±2.2歳) を対象にして, 生理学的指標として心拍数, 下肢皮膚温を持続測定し, 主観的評価として心地よさの程度をケア前、ケア直後、ケア後120分に測定した. データの分析は,一元配置分散分析, Tukeyの多重比較, Friedman検定を行った.その結果, ケア直後の心拍数において, 足部マッサージはコントロールと比較して, 有意に減少した (p<0.01). ケア直後の下肢皮膚温において, いずれのケアもコントロールと比較して, 有意に上昇した (足浴: p<0.05; 足部マッサージ・足浴後マッサージ: p<0.01).足浴後マッサージはケア後30分まで, コントロールと有意な差が持続した (p<0.05). いずれのケアも心拍数の減少, 下肢皮膚温の上昇というリラクゼーション反応が認められた. 足浴後マッサージは, 他のケアと比較して最も主観的評価が高かった.足浴, マッサージおよび足浴後マッサージの看護への適用について, 各々のケアによるリラクゼーション反応に相違が認められたが, いずれのケアも, 心身の安楽, 下肢保温, 入眠促進のために適用できると考えられた.

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