Abstract

嫌気性芽胞菌の生育と芽胞の耐熱性に対するアジピン酸の作用について検討した. (1) アジピン酸は塩酸又はクエン酸に比べて高いpHで供試菌に対して強い生育抑制作用を示し, Clostridium botulinum 62 A及び213 Bに対する生育阻止pHは5.5であった. (2) これらのボツリヌス菌に対するアジピン酸のMICはpH 5.0で0.08%, pH5.5では0.5%で,生育阻止に必要な非解離型アジピン酸濃度は12~15mg/100mlであった. (3) アジピン酸はClostridium芽胞に対して, pH 7.0において耐熱性低下作用を示し,その低下率は, C. batulinum 62 A, 213 B及びC. perfringensではアジピン酸0.2%添加で約50%, 0.5%添加で約90%, C. sporogenesではアジピン酸0.6%添加で約90%であった.

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