Abstract

超臨界水 (SCW) を反応溶媒としたポリエチレン (PE) の分解および化学原料回収技術の確立を目指し, その基礎的研究としてPEおよびモデル化合物であるn-ヘキサデカ (n-C16) の熱分解および部分酸化反応に関する実験を回分式反応装置を用いて行った. 反応温度400~450℃, 水密度0~0.52g/cm3, 反応時間5~60minとした. n-C16の熱分解反応に関する検討では, SCWは熱分解のラジカル素反応に影響を与えるものの, 反応への水の直接の関与 (水素供与など) はほとんど見られなかった. PEの場合には, SCWは生成物を低分子側にシフトさせ, かつ分解を促進させた. これはPEの熱分解において, SCWがPEの相状態を大きく変化させたためであると考える. PEおよびn-C16のSCW中での部分酸化反応において, いずれの場合においても水密度の増大に伴いCO, アルデヒド, ケトンなどの部分酸化生成物, および水素とn-アルカンの収量が増大した. また, PEの部分酸化反応の場合, PEをより微細に分散させることによりPEの分解が著しく促進された. 以上より, SCW中でのPEの分解反応では温度・圧力により相状態などを制御することにより反応速度および生成物分布を制御できる可能性が示唆された.

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