Abstract

東京都の西部に位置する立川断層では, 断層を境界にして南西側の地帯で地下水中の222Rn濃度が特徴的に高かった。 (1) この地帯では, 井戸深度が深いほど222Rn濃度が高くなるという傾向はみられないこと, および帯水層から基盤岩までの堆積層が200m以上と厚いことから, 222Rnは基盤岩を供給源, 断層を経路とした上昇物ではないと考えた。この南西側の地帯と周辺を比較して, 以下のことがわかった。 (2) トリチウム濃度の分布から, この地帯では地下水の年代が新しく, 水が地下浸透しやすい構造であることを支持する結果が得られた。 (3) この地帯は多摩川寄りに位置していて, 扇状地の扇頂に近いことから, 河川水が作用しやすい地形であった。以上のことから, この南西側地帯における高濃度222Rnの供給源は帯水層土壌中の226Raと考えられた。帯水層土壌中の226Raの濃集は多摩川の河川水の浸透によって起きたものと推定した。

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