Abstract
飛騨山脈南部槍・穂高連峰における山岳永久凍土の有無およびその分布状況を明らかにするため,小型自記温度計を用いて,気温および地温の観測をおこなった.気温観測の結果,槍・穂高連峰主稜線上は不連続永久凍土帯の気温条件下にあることが判明した.また,地表面温度観測の結果,本山域のカール内に存在する岩石氷河や崖錐斜面上の多数の地点における晩冬季の積雪底地表面温度(BTS)の値は,それらの地点に永久凍土が存在する可能性があることを示した.特に,大キレットカール内の岩石氷河上では,永久凍土が存在している可能性が高いことを示すBTSや年平均地表面温度などの値が複数年にわたって得られた.地表面が特に粗大な礫から成る地点では,冬季の地表面温度の低下が他地点よりも顕著であった.これは,冬季に粗大礫の上部が積雪面上に露出し,その露出部が寒冷な外気により冷却され,礫自体の冷却が進行していくことによりもたらされたものと考えられる.
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