Abstract

カキを含む果樹の栽培において,気温は重要な多くの形質に影響をもたらす.近年の温暖化により,カキでは果実軟化や着色遅延といった悪影響が認められている.本研究では,カキ‘富有’の着色と気温との関係を明らかにするため,過去20年間(1993~2012年)の夏秋季の気温と着色との関連について解析を行った.9月および10月の月平均気温と11月25日の着色程度との間には有意な負の相関が認められ,気温の低い年ほど着色程度が高くなった.また,9~10月の2か月間の平均気温が21℃未満となった冷涼な年の11月25日の果頂部の着色程度は,山崎・鈴木のカラーチャート値(CC)で7.8となり,21℃以上の年より有意に高く,CC値で1.5の差異があった.気温の低下していく8月中旬以降で,日平均気温が一定温度以下に初めて低下した日と10月25日および11月25日の着色程度には負の相関があり,最も強い相関が得られたのは,日平均気温が23℃以下に初めて低下した日であった(それぞれr = −0.59**および−0.60**).日平均気温23℃以下に初めて低下した日が遅い年ほど10月25日および11月25日の着色度が低く,収穫期も遅くなった.これらの結果は,カキの収穫期における着色は一般に9~10月の気温に大きく左右されていること,また,着色開始前の特定の気温の遭遇によって着色が大きく左右されることを示している.

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