Abstract

慢性期脳梗塞患者において, 血漿, 赤血球, 血小板の脂肪酸を測定し, 動脈硬化および血小板凝集能との関係を検討した.対象は, 皮質枝型脳梗塞 (CI-C) 群30名 (平均年齢59.3±9.3歳) 穿通枝型脳梗塞 (CLP) 群19名 (平均年齢61.4±8.5歳), 健常者群20名 (平均年齢58.2±11.2歳である.血漿および赤血球膜の脂肪酸組成では, CI-C, CI-Pの両群で, パルミチン酸の割合が高く, リノール酸が低値を示した.脳梗塞の両群のうち, CLC群にのみ, 頚部動脈や脳内主幹動脈の動脈硬化が強い理由としては, これら脂肪酸組成の異常に加えて, HDLコレステロールが低値であることが考えられた.又, 血漿および赤血球膜中のエイコサペンタエン酸は, 3群間で差がなかった.一方CI-P群に多くみられる凝集性が充進した血小板では, アラキドン酸 (C20 : 4) が低値を示した.このC20 : 4の低下は, 血小板膜の流動性を低下させることによって, 血小板機能に影響を与えている可能性がある.

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