Abstract

イヨカン果実の凍結障害による苦味化の原因を明らかにするため,果汁中の遊離リモニン濃度と食味との関係について検討した.その結果は次の通りである.(1) 果汁中におけるリモニン生成速度定数はk(21)=0.149h-1,反応の活性化エネルギーは53.6kJ mol-1であった.(2) 凍結障害を受けたイヨカン果実は解凍後2~3日目で凍結障害の程度に応じた苦味を呈し,リモニン含量と官能検査での苦味の程度とはよく一致した.(3) イヨカン果実の苦味発現限界凍結条件は-7℃で4時聞から6時間と推定された.(4) -30℃で凍結した二つ割り果実を-20℃で4か月間保存し, 20点を分析したところ,これらの内の8点は非常に強い苦味を呈し,最高28.4ppmのリモニン濃度に達した.

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