Abstract

要旨: 全国97自治体の協力を得て実施した実態調査により得た高齢期の盲ろう者2,018名のデータをもとに, 障害やコミュニケーションの状況について検討した。 その結果, 高齢期の盲ろう者は, 視覚・聴覚いずれも後天的に受障した者が74.6%を占め, 聴覚活用が可能な弱視難聴は46.1%, 全盲難聴は25.6%, 聴覚活用が困難な全盲ろうは10.3%, 弱視ろうは8.9%であった。 補聴器の受給は46.4%に止まり, 難聴で補聴器を受給している者であっても初対面者の発話が理解可能なものは半数に過ぎなかった。 さらに, 全盲ろう者では, 会話頻度が月2日以下の社会的な孤立状況にある者が32.4%を占めていた。 盲ろう者に関わる各種専門職が連携して, 障害の程度や受障の経緯に応じ, 補聴や聴覚活用, 代替的コミュニケーション・モードやリハビリテーションに関する情報提供とともに, 専門的支援の体制化が必要であることが示唆された。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call