Abstract

新品種のウメ(Prunus mume Sieb. et Zucc.)‘露茜’は,ウメ‘養青梅’とニホンスモモ‘笠原巴旦杏’の種間交雑種である。果実の成熟に伴い果皮に加えて果肉にもアントシアニンを蓄積し鮮紅色に着色するという特徴があり,エチレンガスにより,追熟するとさらにアントシアニン量が増加することが知られている。本研究では‘露茜’のフェノール性化合物の特徴を,親品種のウメ‘養青梅’と日本スモモ‘笠原巴且杏’,主要品種である‘南高’との比較,および追熟中の変動から解析した。‘露茜’果肉中のアントシアニンの蓄積はその親品種である‘笠原巴旦杏’の形質由来であると推察された。また,‘露茜’の特徴であるネオクロロゲン酸が主たるフェノール成分であることは,‘養青梅’の特徴であった。‘露茜’果実の赤色強化法である未熟果のエチレンガスによる追熟処理ではアントシアニン類だけでなく,ネオクロロゲン酸濃度も上昇させた。‘南高’と同様に,‘露茜’果肉にもヒドロキシ桂皮酸アセチル化シヨ糖エステル類が存在することがLC-MS分析によって示唆された。さらに‘露茜’のフェノール性化合物両分(TAP)のラット小腸二糖水解酵素阻害効果とラットの血糖上昇抑制効果について評価した。TAPはマルターゼ,グルコアミラーゼとスクラーゼに対して阻害活性を示した。また,ラットにおいてデンプン投与後の血糖上昇を遅延させたが,マルトースとスクロースでは顕著な効果を示さなかった。

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