Abstract

目的:当院で胎児診断した右側大動脈弓(RAA),左鎖骨下動脈起始異常(ALSA),左動脈管に伴う血管輪(RAA with ALSA)の出生後の臨床経過を後方視的に検討し,RAA with ALSAの適切な胎児診断法,経過観察方法を考案する. 方法:2001年1月〜2011年12月までの11年間で胎児心エコー検査は1,695例施行し,うち11例がRAA with ALSAと診断され,いずれも出生後に血管輪と診断した.確定診断は,出生後の心エコー検査,あるいはCT検査で行い,手術例に関しては術中所見も考慮した.この11例を対象として後方視的に検討した. 結果:胎児診断RAA with ALSA 11例のうち院内出生は5例,院外出生は6例.そのうち2例が出生後に呼吸症状を呈し,手術を施行した.手術時期はそれぞれ生後1ヵ月,1歳5ヵ月で,前者は術中に重複大動脈弓(DAA)と診断した.それ以外の9例は経過観察期間1〜5年で無症状である.また1例が22q11.2 deletionで,生後心室中隔欠損症を認めたがそれ以外の症例に他の心疾患,および心外奇形の合併はなかった. 結論:胎児期のRAA with ALSAとDAAの鑑別には,three-vessel trachea viewだけではなく,大動脈弓から起始する頸部血管を同定することが重要で,DAAの細い大動脈弓には注意が必要である.胎児期にDAAが否定できない場合は,周産期管理が可能な施設での分娩が必要である.RAA with ALSAの中には,経過中に呼吸障害を呈するものがあり,定期的な外来観察と家族への説明は重要である.

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