Abstract

ゴムのウェット摩擦係数の温度依存性を粘弾性の温度依存性から記述する. 球状の突起を乗り越える時のゴムのエネルギー損失を竹村•湊による式を拡張して求め, 摩擦試験機の条件を考慮すると摩擦係数μ=3.45•βS•E′-1/4•E′S+1/8が得られた. 摩擦係数は British Pendulum Tester による測定値を用い, 摩擦路面はセイフティーウォークを使用した. 上式においてβS は tanδによる関数であり, tanδ, E′はともにν=摩擦速度/路面突起間隔で定義される変形周波数における測定値である.摩擦係数測定時の変形周波数は4500Hzであり, 粘弾性測定は10Hzで行ったので, 時間温度換算則を用いて, 摩擦試験温度を粘弾性測定温度に変換した. E′Sは測定時のゴム試料の低周波変形を考慮したものである. 上式の妥当性を検証するため, 15種のゴムの摩擦係数の測定値と計算値を比較したところ良い一致を見た. 更に, 摩擦係数の温度依存性を小さくするためには, 粘弾性の温度依存性を小さくしなければならないことを示した.

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