Abstract

HCGの生物学的検定法を検討する目的で約21日令のddマウスの卵巣,子宮重量反応について検討した結果,次の成績が得られた。1)HCGに対するdd幼若雌マウスの卵巣と子宮の重量反応で,新鮮重量と固定重量との問には順相関が認められた。卵巣での相関係数は0.894,子宮での相関係数は0.954で,それぞれの相関係数のPは0.001で高い有意性を示した。また卵巣,子宮の新鮮重量,固定重量について回帰直線を求め,回帰係数の有意性を検討したところ,Pは0.001で高い有意性を示すことが明らかとなった。これらの結果から剖検時に多数の新鮮材料の測定が不可能のとき,固定して測ることも一つの方法とみられる。2)HCG0.5~6.0IUに対するマウス卵巣重量は新鮮重量,固定重量ともに1.0IUで一つのpeakを示し,1.5IUでは1.0IUよりも重量の減少,1.5IU以後ではゆるやかな上昇曲線を示したが,4.5IU以上になるとHCGの量的増加にもかかわらず卵巣重量平均値は5mg以上にはならなかった。この実験結果からマウス卵巣重量反応はHCG1.5IUを境として異なる二相性の反応曲線からなることが明らかとなった。また,HCG用量と卵巣重量増加は平行関係を示さないことから,ddマウスの卵巣重量反応はHCGの生物検定法に適さないことが認められた。3)ddマウスの子宮重量反応は卵巣重量反応とは異なり,HCG0.5~6.0IUの用量範囲において,HCG用量の高まるに伴ない子宮重量は漸増し,一定傾向を示す反応曲線が得られた。各ホルモン用量間における子宮重量の平均値について差の検定を行なったところ,1.0:1.5,4.5:6.0IUの関係を除く他の用量問でいずれも有意差が得られた。また,HCG0.5~6.0IUにおいては回帰直線が成立し,回帰係数の有意性検定においてもPは0.01~0.001で高い有意性を示すことが明らかとなった。4)HCGに対する卵巣黄体血点形成反応について前報1)で得られた成績と比較するため検討した結果,卵巣黄体血点形成反応陽性率はHCG用量の増加に伴ない高まる傾向にあるが,4.5IUでほぼ反応の頂上に達し,6.0,8.0IUでその反応曲線は横這いとなった。また1.0IU以下では反応陽性率は極めて低く,1.0~4.5IUの用量範囲において一定傾向を示す用量反応曲線が得られた。この実験成績は前報1)で報告した卵巣黄体血点形成反応の成績とほぼ同様の傾向を示した。5)反復実験による反応の再現性について子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応で検討したところ,両反応とも測定の繰り返しによる有意差は得られなかった。したがって,HCGに対するddマウスの子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応は再現性のある反応とみられる。

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