Studies on the Decomposition Reactions of Benzoyl Peroxide in Solutions. III. Reactions with Ethyl Aceotacetate, Diethy- and Dimethyl-Phenylmalonate.

Abstract

過酸化ベンゾイルの分解機構を解明するため, 活性メチレン基, メチン基をもつ化合物を溶媒として過酸化ベンゾイルを熱分解させ, その反応生成物を調べた。アセト酢酸エステルを溶媒とするときは,過酸化ベンゾィルは遊離ベンゾキシ基のほか, かなりの量が遊離フェニル基に分解する。これら遊離基は溶媒分子のメチレン基より水素をとって安息香酸およびベンゼンとなり, 溶媒分子からの遊離基は二量化してジアセチルコハク酸エステルになる。フェニルマロン酸ヱステルを溶媒とするときは, 過酸化ベンゾイルは大部分二酸化炭素を放って遊離フェニル基に分解し, この遊離基は溶媒分子のメチン基に対しては脱水素反応を,ベンゼン核に対しては核置換反応を行う。脱水素反応による溶媒分子からの遊離基は二量化する。またベンゼン核置換反応はオルト位およびメタ位におこる。