遠心沈降法によるフタロシアニンブルーの粒度分布測定

Abstract

粒度分布測定に必要な試料の前処理条件, および円盤形遠心分離機を使用しフタロシアニンブルーの粒度分布測定を行なうために必要な各種遠心条件の検討を行なった。適当な分散剤としてTritonX-100を選び1), 試料の水分散液の最適前処理条件を定めるためミキサーおよび超音波 (22kc) による分散条件 (回転数または出力および処理時間), 分散液の経時変化の検討を行ない, さらに本機を使用してBufferedlayer法における分散液およびSpin fluidの成分の分散性に及ぼす影響同法および均一液法による粒度分布の比較を検討した。最も安定したよく分散された試料を得るためには適当な分散剤の適量存在下に高出力 (400W以上, ホーン振幅20μ), 長時間 (1時間以上) の超音波処理が必要であり, このような処理を行なった分散液において初めて分散性の経時変化はほとんど認められなくなる。またこのような前処理の後にBuffered layer法の適当な条件および均一液法で求めた粒度分布はほぼ一致し, それらの結果は一次粒子まで分散された粒子の粒度分布であることを電子顕微鏡観察およびBET法により確かめた。