Abstract

目的 : 小型核を主体とする低異型度の乳管癌に対し, 良性病変との鑑別に有用な細胞所見を検討する.方法 : 悪性の疑いまたは鑑別困難と判定していた症例のうち, 小型核を主体とする乳管癌 37 例, および筋上皮細胞が不明瞭な細胞集塊が出現していた良性病変 13 例の計 50 例に対し, (1)双極裸核, (2)細胞集塊の重積性, (3)細胞間結合性, (4)核小体, (5)クロマチンパターン, (6)核溝の 6 項目の細胞所見についてスコア化を行い, それぞれの出現頻度を比較した. さらに統計学的有意差がみられた細胞所見に対して点数加算を行い, 乳管癌と良性病変の鑑別を試みた.成績 : 6 項目の細胞所見のうち, 双極裸核 (p=0.007), 核溝 (p=0.02) に統計学的有意差がみられた. 双極裸核は対物レンズ 40 倍で 1 視野あたり平均 20 個を超えるものを score 1, 6∼20 個であるものを score 2, 5 個以下であるものを score 3, 核溝は明らかでないものを score 1, 核溝がみられるものを score 2 とし, それらのスコアの合計が 4 点以上であるものを乳管癌とすると, 感度 76%, 特異度 77%, 陽性的中率 90%, 陰性的中率 53%であった.結論 : 低異型度乳管癌と良性病変の鑑別に, 双極裸核の数および核溝に着目し, スコア化を行うことは鑑別困難症例の減少につながると考えられた.

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