ポリエステルエナメル線の性質に及ぼす焼付け温度とポリエステルの官能基度の影響

Abstract

テレフタル酸ジメチル, エチレングリコールおよびグリセリンからエチレングリコールとグリセリンの配合割合を変えて官能基度の異なるポリエステルを合成した。グリセリンの混合割合の多いものは重縮合反応速度が遅く, 生成ポリエステルの反応率が低い。ポリエステルの流出量～温度曲線から官能基度の小さいものは融解温度が高く結晶性であること, および熱分解曲線から縮合反応と熱分解反応の起こる温度範囲が接近していて, 実際の焼付け温度ではこの両反応が同時に起こっているこ之を明らかにした。次にポリエステルエナメル線を試作し, 焼付け温度およびポリエステルの官能基度と電線のたわみ性, 耐ヒートショック性, 耐摩耗性, 耐熱軟化性, キュア速度および耐溶剤性との関係について考察を加えた。