Abstract
リンの吸収阻害作用を有する炭酸ランタン水和物は, 腸間膜リンパ節や胃粘膜, 骨への沈着の報告がある. ランタンは磁気共鳴画像 (MRI) の主な造影剤である常磁性金属のガドリニウムと同じランタノイド族であるが, MRIに及ぼす影響については完全に明らかにされていない. 1.5 Tと3.0 TのMRIにおいて, 0, 0.001, 0.003, 0.01, 0.03, 0.1, 0.3および1.0mol/Lの炭酸ランタン水和物を, スピンエコー法とグラディエントエコー法を使用して撮像した. 取得したMRIのアーチファクトを評価するとともに, 1/T1, 1/T2, 1/T2*を求めた. 炭酸ランタン水和物によるアーチファクトは, すべての実験条件において認められなかった. 1.5 T, 3.0 Tともに炭酸ランタン水和物濃度は1/T2, 1/T2*に相関したが (p<0.05), 1/T1の違いはわずかであった. 炭酸ランタン水和物によってT2およびT2*が短縮するため, 一定濃度以上になれば信号強度を低下させるがT1に影響しない.
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