Abstract

前報において, 地表にわずかな積雪があり, 気温0~-4.4℃, 風速4~7ms-1のもとで葉身に葉枯れ, 落葉が生じ, この時夜間の葉身水ポテンシャル (ΨL) が-1.2MPaに, 翌日の昼間ではさらに最低-2.3MPaまで低下したことを報告した. そこで本報告は, 人工的に1年生苗の茶樹に低気・地温, 強風条件を与え, ΨLの低下と寒風による被害発生との関係, 及びΨLの低下の原因を明らかにしようとした. その結果, 低気・地温, 強風の組み合わせに暗黒後照明条件のもとでΨLは-0.7~-1.8MPaに低下し, 照明条件下で圃場と類似した枯死被害が生じた. また, 低温照明条件下では蒸散速度の増大に伴うΨLの低下が大きいことから, このΨLの著しい低下は低温による植物体内の水の通導抵抗 (R) の増大にもとずくものと考えられた. そこでさらに葉身, 茎, 根各部分への加圧と出液速度との関係を求めて各器官のRを推定したところ, 葉身と根のRは0℃では10℃に比較し約1.6倍, 20℃に比較して約3.2倍大きくなった. 以上から, 山陰地域における茶樹の寒風による被害は低気・地温によって特に葉身と根のRが著しく増大している時に, 強風, 及び翌日の日射により蒸散が促進されて, その結果, 葉身ΨLの著しい低下, 葉身組織の脱水が生じて引き起こされるものと推定された.

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