Abstract

タングステンカーバイド(超硬)ブロックによる慣性効果を利用したパルス動的圧縮─IRを,ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレート(PMMA),並びにポリスチレンの分析に応用した.室温(RT)及び種々の加熱条件下で,PC及びPMMAのC=O伸縮振動(PC: 1769 cm−1; PMMA: 1722 cm−1)をモニターし,RT及び加熱条件(PCの場合; 80,90,100及び120℃,PMMAの場合; 50,70,90及び100℃)での動的圧縮の時間応答変化を比較した.その結果,PMMAではガラス状に強固に固定された領域と,比較的柔軟で変形しやすい領域とが存在する可能性が示唆された.一方PCでは柔軟で変形しやすい領域を示唆する応答はほとんど検出されなかった.比較的柔軟で変形しやすい領域には,倍音を含み強い負の反発応答の存在によって特徴付けられ,倍音バンドは,C=O 1800〜1650 cm−1の伸縮振動における動的圧縮の時間応答軸のフーリエ変換によって識別できた.PMMAの倍音バンドの要因は,比較的柔軟な領域に存在し,弦の振動を模倣できる直鎖構造に起因する可能性がある.さらに,逆対称C-O-C,またはC-C-O振動領域(1300〜1060 cm−1)におけるCo-(同時)及びQuad-(異時)一般化2D-IR分析では,PCとPMMAとではかなり異なっていた.PMMAの場合,異なる加熱条件下でのマッピング強度と位相差は,PCのものよりもかなり大きくなった.以上の結果を元にPCとPMMAの予想される分子構造の構築を試みた.

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