A Case of Radiation Hemorrhagic Gastritis Treated by Endoscopic Argon Plasma Coagulation

Abstract

症例は56歳，男性。進行食道癌に対し1997年7月食道亜全摘，胃管再建術を施行された。その後，上縦隔および両鎖骨上窩に放射線を48Gy照射した。1998年4月多量の下血を主訴に来院した。内視鏡検査にて再建胃管の放射線照射部位に一致して，全周性のびらんと漏出性の出血を認めた。高周波凝固により一時的に止血されたが，その後再出血を繰り返したため，アルゴンプラズマ凝固法（Argon Plasma Coagulation : 以下APC）による焼灼を施行した。その後，患者が腹膜播種性癌再発で死亡するまでの2ヵ月間に再出血は起こらず，全周性の焼灼にもかかわらず治癒過程での瘢痕狭窄も来さなかった。APCは広い面積を短時間に浅く焼灼することが可能であり，本例のような広範囲にわたる漏出性消化管出血の内視鏡的止血法として非常に有用であると考えられた。