Abstract
本研究で対象とされた自閉症児は、本研究開始以前に即時性エコラリアと機能的に等価な援助要求語が形成され、エコラリアの消失には成功した。しかし、援助要求語が過剰般化し、不適切な場面でも高頻度で出現した。これは、質問が提示されたとき、その内容に自分の知識が対応するか点検した上で、援助が必要であるのか否かを決定する、モニターを本児が行っていなかったためであると考えられた。本児の場合、(1)モニタースキルはもっているが、指導者から質問されると援助を要求するという行動連鎖が強固であったために、モニターする機会が剥奪されていたか、(2)モニタースキルに障害があったか、このいずれかが援助要求語の不適切な場面への過剰般化の原因として仮定された。そこで、指導1において援助要求語が出現した際に、モニターする機会を新たに設定した。しかしながら、この手続きでは、援助要求語は機能的に使用されなかった。指導2において、課題の難易度によって、出現した援助要求語の強化の随伴性に差をつけ、本児がわかるものとわからないものを識別するための手がかりを提示した。その結果、本児は適切な場面で援助を要求することが可能となった。これらの結果より、本研究の手続きが、機能等価性を再構成したことが示唆された。
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